脳梗塞を発症した後は再発予防も重要です

脳梗塞を経験した人の約17%は10年以内に再発します

脳梗塞で倒れた人にとって、治療後のリハビリテーションは社会復帰のために非常に重要となりますが、同様に欠かせないのが再発予防への取り組みです。

脳梗塞は以前梗塞が起こった場所に再発すると思う人が多いかもしれませんが、実際はまったく別の場所の血管が新たに詰まって発症します。ただし、場所は異なるものの、梗塞のタイプ(心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞など)は同じになる傾向があります。

脳梗塞の再発が多いのは、最初の発症から1年以内となっており、約6.5%の患者が再発しているとされています(参照:国立循環器病研究センター)。期間を発症から10年に伸ばすと、約17%が再発で医療機関を受診しています。

一度、脳梗塞を起こした人は動脈硬化などの危険因子を抱えているため、梗塞を起こした部位以外の血管に同じ症状が起こっても不思議ではないのです。

再発した脳梗塞は後遺症が更に強まり、痴呆や寝たきりの原因となり、生活の質が大きく低下しかねません。再発を予防するためには、危険因子への対策、定期的な検査の受診、血栓を防ぐ治療が欠かせないのです。

高血圧、糖尿病などの危険因子への取り組み

脳梗塞の危険因子は複数ありますが、減らすことができた危険因子の数に反比例するかたちで、再発の危険性は減少していきます。脳梗塞の患者さんが危険因子を一つ減らした場合、再発リスクは20%程度しか下がりませんが、糖尿病や高血圧など全ての危険因子を管理できれば、再発リスクは80%も下がるという統計があります。

まず最初に取り組みたいのが、脳梗塞の最大の危険因子となっている高血圧の対策です。自己管理で目標とするのは、「収縮期血圧140mmHg未満、拡張期血圧90mmHg未満」となります。食事で摂取する塩分の量を減らすことが基本ですが、塩分制限で血圧をコントロールできない場合は、降圧薬を服用します。

続いて糖尿病です。基本は食事療法による血統のコントロールですが、効果が現れない(HbA1cが6.5%未満に届かない)場合は、傾向血糖降下薬やインスリン注射などの薬物療法も行われます。

高脂血症を抱えている方が脳梗塞の再発を防ぐためには、動物性脂肪などを制限する食事療法によって、総コレステロールの数値を200mg/dl未満にまで下げる必要があります。食事療法単独で効果が薄い場合には、スタチン系薬剤に代表される高脂血症の治療薬が処方されます。

喫煙は脳梗塞を経験したことのあるなしに関係なく、さまざまな病気の危険因子となるため禁煙するのがベストです。アルコールをキッパリ止める人もいますが、少量の飲酒は脳梗塞の発症リスクを低下させる効果があることがわかっています。1日1合以下のの日本酒ならば問題ありません。

食べ過ぎや運動不足による肥満は脳梗塞の危険因子である高血圧、糖尿病、高脂血症のリスクを高めます。そのため近年は、肥満=脳梗塞の危険因子と考えられるようになってきています。